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【調査報告】きこえない・きこえにくい方に向けた字幕の提供方法についてのアンケート

UDCastを運営するPalabra株式会社では、文化庁委託事業「令和7年度障害者等による文化芸術活動推進事業」障害者等による文化芸術活動の推進に向けた課題解決プロジェクトの一環として、2025年11月に「きこえない・きこえにくい方に向けた字幕の提供方法についてのアンケート」を実施しました。

このアンケートでは、より映画の字幕を活用していただくために必要なことを明らかにすることを目的にしています。アンケートでは、127名の方にご回答いただきました。

実施主体:Palabra株式会社(UDCast運営会社)
事業名:文化庁委託事業「令和7年度 障害者等による文化芸術活動推進事業」
実施時期:2025年11月
回答者数:127名
対象:きこえない・きこえにくい方

アンケートでは、日本語字幕付き上映の上映回・上映日が少ないことや、メガネ型端末・スマホ・タブレットでの字幕利用のメリット・デメリット、洋画での日本語字幕についてのご意見など、様々な視点での日本語字幕についてご意見が集まりました。

最も望まれているのは『日本語字幕付き上映』

現在、日本語字幕付きで映画を楽しむ主な方法として、
・日本語字幕付き上映
・メガネ型端末での字幕利用
・スマホ・タブレット端末での字幕利用

の3種類があります。
なお、メガネ型端末・タブレット端末は一部劇場にて貸出を行っています。

「好きな日時で自由に鑑賞方法をえらべるなら、どの方法で字幕を見たいですか?」という質問をしたところ、96%以上の方が日本語字幕付き上映を選択しました。字幕付き上映を望む方々からは、洋画上映やテレビなどで字幕に慣れ親しんでいることから、最も楽で負荷が少ない、というコメントが多く寄せられました。

「好きな日時で自由に鑑賞方法をえらべるなら、どの方法で字幕を見たいですか?」
1位に選ばれた項目
A:スクリーンに字幕を表示する方法:123件
B:メガネ型端末で字幕を観る方法:2件
C:字幕専用タブレット端末やスマホで字幕を観る方法:2件
2位に選ばれた項目
A:スクリーンに字幕を表示する方法:3件
B:メガネ型端末で字幕を観る方法:88件
C:字幕専用タブレット端末やスマホで字幕を観る方法:35件
3位に選ばれた項目
A:スクリーンに字幕を表示する方法:1件
B:メガネ型端末で字幕を観る方法:35件
C:字幕専用タブレット端末やスマホで字幕を観る方法:87件

また、メガネ型端末とタブレット型端末での鑑賞を1位に上げる方はごくわずかとなっています。メガネ型端末は重く装着しづらく、タブレット・スマホは視線移動が不便だとする意見が多く、各々に特有のデメリットがあることがコメントで多数指摘されました。

メガネ型・タブレット型端末での鑑賞を1位とした方は、どの日どの時間でも見られることが理由だと回答していました。このことからも、字幕付き上映の回数や日程が少ないことが課題として挙げられます。

お互いの方法に一長一短があり、字幕付き上映が利用できない際の代替手段として利用するコメントが多かったです。なお、タブレット・メガネ型端末貸し出し劇場が少ないといった意見も多数寄せられました。

映画館での日本語字幕利用はすでに一般的

次に、「日本映画を映画館で日本語字幕付きで観たことはありますか?」という質問に対して、「映画館で日本語字幕付きで見たことがある」と答えた人は、77.2%でした。

また、メガネ型端末やタブレット端末等の「字幕用の貸出端末を映画館で借りたことがない」と答えた人は、55.9%でした。

そこで、「字幕付きで日本映画を観た人の中で、映画館で貸出端末を借りたことがない」人の割合を算出すると、76.7%となりました。アンケートにご回答いただいた方のうち7割以上の方が、貸出端末を利用していません。

前項のアンケートで「スクリーンに字幕を表示する方法」を希望する人が多数いたことと合わせて、多くの方々が日本語字幕付き上映を希望し利用していると考えられます。

日本映画を映画館で日本語字幕付きで観たことはありますか?
映画館で観たことがある:77.2%
テレビや配信では観たことがあるが、映画館ではない:21%
日本映画に字幕があると知らなかった:2%

日本映画を映画館で日本語字幕付きで観たことはありますか?についての回答

日本映画を映画館で日本語字幕付きで観たことはありますか?
メガネを借りたことがある:31.5%
タブレットを借りたことがある:0.8%
両方借りたことがある:7.1%
借りたことがない:55.9%
字幕メガネを持参することがほとんど:1.6%
借りたい・借りようとしたが、借りることができなかった。:3.1%

映画館でメガネやタブレットの、字幕用の貸し出し端末を映画館で借りたことはありますか?についての回答

邦画と洋画、鑑賞実態

日本映画と外国語映画、映画館で鑑賞する機会が多いのはどちらですか?についての回答

日本映画と外国語映画、映画館で鑑賞する機会が多いのはどちらですか?という質問をしたところ、
「日本映画」と答えた人は34.9%
「外国語映画」と答えた人は42.9%
「同じくらい」と答えた人は22.2%

という回答となりました。日本映画を楽しんでいる方と外国語映画を楽しんでいる方の割合は、ほぼ同じくらいとなっております。

最近では字幕付きの日本映画が増えたことにより、翻訳字幕付き上映が一般化している外国語映画と同様に日本映画が楽しまれています。

外国語映画字幕への課題

外国語映画の字幕の内容について、これまで感じたことを教えて欲しいという設問を設けました。コメントでは、バリアフリー日本語字幕と異なり、音楽や効果音などの音声情報が記述されていないことについて具体例と共に指摘が多くありました。また、作中で日本語が発音された場合、日本語字幕が消えてしまうことについてのコメントが複数件ありました。

音声情報を補完する日本映画の字幕と、台詞の翻訳を目的とした外国語映画の字幕が目的が異なることから、このような課題が挙げられています。

一部のコメントでは、ストーリーの展開や演出についていけないという意見も寄せられており、音声情報を字幕表示することの重要性が確認されました。

UDCastサポートセンターでも、洋画で日本語が発話された際に字幕をつけてほしいと要望をいただき、実現した例があります。

参考記事:ブラッド・ピット出演 『ブレット・トレイン』 への要望から実現した洋画の日本語字幕 #みんなの気づき
https://udcast.net/feature/230316-accessibility-request-for-subtitles/

バリアフリー日本語字幕付き上映が求められている

アンケートを見たところ、以下のような現状が明らかになりました。

・日本語字幕付き上映がもっとも見やすく、望まれている。
・日本語字幕付き上映は上映回が限定されているという問題が指摘されている。
・・メガネ型端末およびスマホ・タブレット端末での字幕利用は、どの日どの時間でも見られることが魅力的な反面、各々デメリットがあることが指摘されている。

UDCastでは、これからも日本語字幕付きで映画をより良い形で楽しんでいただけるよう、情報発信を続けていけたらと思います。

UDCastでは、文化庁委託事業の一環として文化芸術・鑑賞サポートの相談窓口を設けています。窓口では、鑑賞サポートを希望する相談者や鑑賞サポートを検討する事業者からのご相談を受け付けています。

「字幕付き上映で映画を見たいが、どこでやっているか分からない」「字幕付き上映をやってほしい」など、鑑賞サポートに関するご相談であればなんでも受け付けています。お気軽にご相談ください。

また、相談窓口では、事業者さまからの相談も受け付けております。文化芸術の鑑賞サポートについての相談は何でも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

UDCastサポートセンター(平日 10時~19時)
TEL 0120-291-088
FAX 03-5937-2233
MAIL support@udcast.net

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