
(c)2019映画「愛がなんだ」製作委員会
愛がなんだ
日本語字幕は、メガネ型端末に『UDCast』アプリをダウンロードし、専用マイクを付けてお持ちいただければ、全ての上映劇場、上映回でご利用いただけます。
スマートフォン等の携帯端末での字幕提供は行っておりません。
上映劇場の「イオンシネマシアタス調布」にて字幕ガイド用メガネの貸出がございます。
メガネの貸出には予約が必要です。予約方法は劇場の貸出ページをご覧ください。
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予約ページ
スクリーンに字幕が表示される字幕上映については劇場一覧のページでご確認ください。
【キャスト・スタッフ】
岸井ゆきの 成田 凌
深川麻衣 若葉竜也 穂志もえか 中島 歩
片岡礼子 筒井真理子 / 江口のりこ
監督:今泉力哉
原作:角田光代「愛がなんだ」(角川文庫刊)
主題歌:Homecomings「Cakes」
脚本:澤井香織、今泉力哉 / 音楽:ゲイリー芦屋
【イントロダクション】
いつもと同じ景色がまるで違って見える。1日の時間のすべてがその人のためにある。
それ以外のこと……会社も女友達も、おもしろいくらい意味がなくなってしまう。1分でも1秒でも多く、その人のそばにはりついていたい。
例えその人の心に、別の誰かがいても――。
直木賞作家=角田光代が2003年に発表した「愛がなんだ」は、平凡なOLテルコの“究極の片思い”を描くパンチのきいた恋愛小説。全力疾走で一方通行の恋を駆け抜けるテルコの日々を、一人称の濃密な筆致で綴った本作が、舞台を現代に移して映画化された。
猫背でひょろひょろのマモちゃんに出会い、恋に落ちた瞬間、テルコの世界はマモちゃん一色に染まり始める。会社の電話は取らないのに、マモちゃんから携帯に連絡が入ると秒で取り、呼び出されると残業もせずにさっさと退社。どこにいようと電話1本で(あくまでさりげなく)駆け付け、平日の朝いきなり「動物園に行こう」と言われると余裕で会社をぶっちぎる。呆れる女友達の助言はへらへら聞き流し、ついに会社をクビになっても、これ幸いとばかりにマモちゃんの家の雑事を嬉々としてこなす。だがそんな幸せ絶頂の日々は、突然終わりを迎える。自分の何が悪かったのか?悶々としながら失意のどん底に落ちるテルコだったが、ようやく自分をリセットして職探し……と思った矢先に、再びマモちゃんから連絡が。どこまでも“自分系”のマモちゃんに振り回されるテルコの、狂暴で愛おしい片思いの行方は……?
テルコを演じるのは初主演映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』(2017)で一躍注目を集め、2018年NHK連続テレビ小説「まんぷく」の好演で全国にその名を知らしめた、岸井ゆきの。今、最も勢いのある新進女優が演じるタフで繊細なヒロイン=テルコは、一般的に共感しづらいキャラクターに愛らしいコミカルさを加味し、どこか憎めない女性像に引き上げる。テルコが盲目的に愛するマモルには、出演作が途切れない人気俳優=成田凌。イケメンオーラを完全に消し去り、実は自分に自信の持てない厄介なダメ男=マモルをどうしようもなく魅力的に演じてみせた。
テルコの唯一の女友達=葉子には、アイドルグループ=乃木坂46を卒業後、女優としての活躍が目覚ましい深川麻衣。自由奔放に生き、年下男を振り回す葉子というキャラクターで新境地を開拓している。そんな葉子に一途な想いを寄せ続けるカメラマン志望のナカハラには、映画、TVと幅広く活躍する若き実力派=若葉竜也が扮し、鮮烈な印象を残しているのも見逃せない。
マモルが恋する年上のすみれさんには、唯一無二の存在感を発揮し続ける江口のりこ。一見がさつで全く人に気を遣わないテルコとは正反対の魅力で、マモちゃんを惹きつけるすみれを、圧巻の演技力と独特のユーモアセンスで演じている。
他にもテルコの新しいバイト先の先輩で酸いも甘いも知る中年女性=蒔田に片岡礼子、妻子がいる男性との間に葉子を宿した葉子の母=節子に筒井真理子という贅沢なベテラン勢が、不器用な男女の恋愛群像劇を頼もしく支える。
監督は“正解のない恋の形”を模索し続けてきた、恋愛映画の旗手=今泉力哉(『サッドティー』/2014、『パンとバスと2度目のハツコイ』/2018)。本作では、永遠に埋まることのない男女の距離感を、様々な片思いにもがく5人の登場人物の視点から深く考察している。
テルコ、マモル、葉子、ナカハラ、すみれ。
複雑に交差する5人の想いの行方は、決して“正解”とは言えない予想もしない方向に走り始める――。
そして、本作は、“好きな人と同化したい”というある種の恋愛を超越した原作の独創的な着地点を、瑞々しい映像と共に描き出すことに成功している。
あまりにまっすぐな片思いの末に、テルコが下した思いがけない“決断”とは――。
配給:エレファントハウス