アート&カルチャーは、みんなのものだよ! 「合理的配慮」のスタートBOOK はじめに アート&カルチャーは、 誰でも楽しんでいい! でも…「ちょっと困るなぁ」って思うことない? そんなときに大切なのが「合理的配慮」なんだ。 みんなで知恵を出し合って、 世界から“困っている人”をなるべく減らしていこう! それがUDCastの考える「合理的配慮」の考え方のきほん。 この凸凹だらけの世界で、“困ってる”をなくせたらすばらしいよね。 これって実は……人類みんなのチャレンジ! そう思うと、ちょっとワクワクしてこない? そもそも「合理的配慮って」? ひとりひとりに合った工夫で、 みんなが楽しめるようにすること! CASE1 イベント主催事業者の場合 事業者A 「合理的配慮」って、ことばがむずかしすぎて、ぜんぜん頭にも心にも入ってこないよ 事業者B マジでそうだね!「配慮」っていう優しそうなことばと、「合理的」っていう冷たそうなことば、組み合わせ悪すぎ ユーディ う〜ん つまり簡単にいうとさ、夏と冬でみんな同じ服だったら困るじゃない? 事業者A そーだね ユーディ ふつうは、季節だったり 暑がりだとか寒がりだとかで それぞれ自分にとって ちょうどいい服を選ぶよね 事業者B うんうん ユーディ 「合理的配慮」って それと同じなんだよ 事業者A え?どういうこと? ユーディ たとえば、美術館や映画館、それぞれ状況が違う。そして、集まる人たちの困りごともそれぞれ違うよね。 だったら、みんなに同じサポートをするより 状況に応じてサポートを変えた方が、合理的じゃない? 事業者B そうだね、その方が、合理的に配慮できるね! ユーディ ほら!出てきた!それが「合理的配慮」だよ! ●合理的配慮は、すべての人に提供されるものではなく、「特定の人が困らずに楽しめるように」行われるものです。また、対応する側が「過度な負担にならない範囲」で工夫することも大切です。 「合理的配慮」なんて自分には関係ない? じ…じつは……2024年から、合理的配慮は義務になったんです! CASE2 ある劇団の場合 劇団代表 うちみたいな弱小劇団には関係ないじゃろ?「合理的配慮」とか 劇団員 え!代表、知らないの?2024年から法律が変わって義務になったんす! 劇団代表 マジで!?うち、そんなことする余裕なかろうが! ユーディ まーまー!決まったやり方があるわけじゃなくて 「できる範囲で(※)工夫して対応すればOK」ってルールだよ♪ 劇団員 ってか、うちの劇団もうやってるっすー 劇団代表 え、マジなん? 劇団員 たとえば、「問い合わせ窓口」をメールやWebフォームでも対応できるようにしたんすよ。 そしたら、聞こえない人も問い合わせしやすくなったんすよ! ユーディ そーそー!ちょっとした工夫で、多くの人が舞台を楽しめるようになるんだよ♪ 劇団員 相談されたら、すぐ「無理」じゃなくて ちょっと知恵を絞ってみる感じっすね! 劇団代表 できる範囲で(※)やってみるか 義務じゃし ●バリアフリー法は、スロープやエレベーター、バリアフリートイレなどの環境整備(ハード面)を進める法律。一方、合理的配慮は、その場での対応や工夫(ソフト面)を求めるものです。 ●合理的配慮の義務化は、2024年4月1日施行の「改正障害者差別解消法」によるものです。 (※)この場合の「できる範囲で」は、同法による「負担が過重にならない範囲での必要かつ合理的な対応」のことです。 「合理的配慮」まずは何から?まずはどこから? 人と人との関係ですから、 まずは対話からはじめましょう! CASE3 車椅子ユーザーの場合 女性A やっと当選したミュージカル ずっと楽しみにしてたのに…S席で観られないなんて ユーディ 車椅子席になっちゃうんだよね〜 女性A 安全を優先させるためなのはわかるけど やっぱりモヤる……! ユーディ 事務局に相談してみたら? 女性A わがまま障害者って思われないかな ユーディ いい席で楽しみたい気持ちは、みんな同じだよ! 女性A よし、電話してみる! RRRRR… 「すみません、車椅子ユーザーなんですが、当選した席で観ることはできますか?」 事務局 「安全上の理由で難しいかもしれません…」 女性A 「この席で観るのが昔からの夢だったんです」 事務局 「わ、わかりました…責任者に相談しますね!」 (しばらくして) 「上演前後なら、介助者の入場はOKです! サポートを受けて席へ移乗してください。 また、当日私たちにもお手伝いできることがあればお知らせくださいね」 女性A 「わ!嬉しい!」 ユーディ これ、ほかの車椅子ユーザーにも役立つかもね♪ どんな工夫ができる?「合理的配慮」のいろいろ なるほどこの手があったか! 共感と想像力がみんなをつなぐ。 CASE5 視覚障害者の場合 男性A この舞台、すごく楽しみにしてたんですけど… 視覚障害があって、うまく楽しめるか不安で。 劇場スタッフ 視覚障害ですか…(どうしたらいいんだろう) ユーディ ねえねえ!ほかの劇場では、開演前に俳優が自己紹介する「事前ガイド」をやってるよ! 劇場スタッフ え、そんな方法があるんですか? ユーディ うん!どんな声なのか分かると、登場人物をイメージしやすいんだって♪ 男性A それ、すごく助かります! 劇場スタッフ 衣装やセットに触れる「舞台美術の体験会」もやれるかもしれません! 男性A おお、それもいいですね! 劇場スタッフ でも…すべてのセットや衣装に触れるのは難しいかも… 男性A 言葉で説明してもらうでも嬉しいです! ユーディ そんな風に「できる範囲で(※)」考えるのが大事♪ 劇場スタッフ まずは俳優さんたちに相談してみます! ユーディ たのしそー! (※)この場合の「できる範囲で」は、「改正障害者差別解消法」による「負担が過重にならない範囲での必要かつ合理的な対応」のことです。 「合理的配慮」がつなぐ新しい可能性 小さな配慮が積み重なれば、 世界はもっと豊かになっていく。 CASE5 聴覚障害者の場合+α 女性A 最近、UDCastの字幕タブレットで映画を観てるけどすごくいいね! 本当に助かってる ユーディ 邦画も字幕付きで見られるから便利よね〜 映画館スタッフ 実はこの前、外国の方も字幕タブレットを使ってたんですよ 女性A えっ、外国の方にも愛用者が!? 映画館スタッフ そう!多言語対応してる作品だったから、英語字幕で人気のアニメ作品、観てました ユーディ わぁ、すごい! 最初は聴覚障害者向けだったけど、外国の方にも役立つなんてね! 映画館スタッフ その人、帰り際に「吹き替えじゃなくオリジナル音声で楽しめたー!」って言ってました 女性A 字幕っていろんな人に役立つんだね。なんか誇らしい気分! 映画館スタッフ 海外のお客さん向けに字幕をもっとPRしてみよう! 女性A それ、ありかも! 映画館の新しい魅力になるかもしれない! ユーディ 世界が豊かになっていく〜〜! すべての人が、 アート&カルチャーを 楽しむ未来へ! 「合理的配慮」の未来をつなぐ場所、UDCast。 合理的配慮は、まだ始まったばかり。 そのプロセスには、ときに迷いや戸惑いも伴うでしょう。 でも、一つひとつの工夫が積み重なれば、 世界はもっと豊かになります。 作品にとっても、鑑賞者にとっても、 アートやカルチャーの新しい楽しみ方を広げ、 ダイナミックで豊かな可能性を生むはずです。 もし困ったときや、新しいアイデアを試したいときは、 ぜひUDCastに相談してください。 決してあなたを一人にはしません。 何ができるか共に考えていきましょう。 UDCastは、人・社会・未来をつなぎ、 大きなうねりを生み出す場所です。 アート&カルチャーは、みんなのものだよ! 「合理的配慮」のスタートBOOK 企画・制作 Palabra株式会社/UDCast 執筆 庄司輝秋、蒔苗みほ子 監修 NPO法人DPI日本会議 編集 庄司輝秋 デザイン 中村洋太(FLATROOM) イラスト SAKI MORINAGA (vision track) 発行 Palabra株式会社 発行日 2025年3月21日 Copyright c2025 Palabra Inc. 文化芸術の「合理的配慮」についてお困りの方へ 当事者やその周辺の方のご相談を多様な方法で受け付けています。 また「鑑賞サポートを取り入れてみたい。でもどうやったらいいんだろう?」 そんな事業者のお話を聞き、実施方法の提案などのサポートを行います。 UDCastサポートセンター 文化芸術全般の鑑賞サポート相談窓口 相談無料!専門スタッフが対応いたします https://udcast.net/support/ 電話 0120-291-088(平日10〜17時) FAX 03-5937-2233 メール support@udcast.net 文化庁委託事業「令和6年度障害者等による文化芸術活動推進事業」 障害者等による文化芸術活動の推進に向けた課題解決プロジェクト