UDCast

ユーディーキャストに集まろう!

事業者の方へ

KYOTOGRAPHIE 2024 ワークショップ「筆談鑑賞〈視る+書く+繋がる〉でKYOTOGRAPHIEを楽しむ」に参加してきました!

2024年5月9日(木)に京都府 誉田屋源兵衛で開催されたワークショップ「筆談鑑賞〈視る+書く+繋がる〉でKYOTOGRAPHIEを楽しむ」にUDCastスタッフがお邪魔しました。

開催情報: https://www.kyotographie.jp/events/2024/8192/

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」は、年に一度京都を舞台に開催される国際的な写真祭です。今年で12回目を迎え、京都市内のみならず全国津々浦々、海外の方も多く来場されています。

今年のワークショップの舞台となったのは、Birdheadによる展示「Welcome to Birdhead World Again, Kyoto 2024」。

アーティストであるBirdhead(バードヘッド/鳥頭)は、2004年に結成されたソン・タオ(宋涛/1979年生)とジ・ウェイユィ(季炜煜/1980年生)の2人によるアートユニット。中国の経済と社会が世界に開かれつつあった時期に、彼らの故郷である上海の都市変容を記録したクロニクルで一躍注目を集めました。

そして、会場の誉田屋源兵衛(こんだやげんべい)は、江戸期から続く帯匠です。280年の歴史をもつ帯問屋の建物は「うなぎの寝床」ともいえる作りになっており、明治期から大正期にかけて建てられた「竹院の間」と、母屋の土間を通り抜けた先にある「黒蔵」の二つの建物で、写真や映像、コラージュ画像、インスタレーションなどが展示されました。

今回ワークショップのファシリテーターとして、全国各地の美術館で筆談鑑賞会を行っている、耳の聞こえない鑑賞案内人・小笠原新也さんが招かれていました。
そのほかイベントに参加された方は、13名。そのうち難聴の方が1名で、UDCastスタッフも難聴の方のサポートも兼ねて一緒に参加しました。

まずは、小笠原さんから今回のワークショップについて紹介がありました。小笠原さんの手話と、司会や参加者の発言は全て手話通訳を介して行われました。
なお、参加された難聴の方は文字サポートを希望されたため、UDトークも同時に使用して情報保障を行っていました。

説明が終わると、いよいよ本番。各自ペンを持って竹院の間にある作品の前へ。
今回のワークショップのために、作品のそばにテーブルが設置され、目の前の作品が印刷された大きな紙が置いてありました。

 

例えば、展示されている写真にある日付を見て季節を感じたら、紙に印刷された同じ部分を丸く囲んで余白まで線を引っ張り「冬に撮影されたんだ」と書く。
また「これってなんだろう?」と思った部分があればその思いを書いてみる。そうすると他の人が、「ガラスじゃないかな」また別の人は「私は川だと思った!」と、コメントを連ねていく。

参加者一人一人持っているペンの色が違うため、それぞれが思い思いのコメントを書いていることが視覚的にも伝わってきました。また、紙に残された言葉を見て、誰かが見た作品の視点をたどっていくような感覚にもなりました。

 

次に黒蔵に移動すると、映像と音楽が出迎えてくれました。最後はこの作品をテーマにするとのこと。音を文字化するって正解がないですよね。
特に展示で流れていた音楽は既存のものではなく、普段目にする楽器とは程遠い機械音のようなものが独特なリズムで流れており、映像も木が立ち並ぶ場所で鳥の格好をした二人が宗教の儀式のようなものを行っている映像でした。

さて、これをどう表現するかとても悩みましたが、他の参加者のコメントを見ると、映像について自分なりの解釈を書いている人や、流れていた音楽のリズムを音符にして書いている人もいて、同じ作品を見ているのに多様な表現が並んでいて非常に面白かったです。


数時間のワークショップも、終わればあっという間でした。
作品をじっくり見た上で感じたことを書き出すと、自分がその作品にどんな印象を抱いたか、どんなところに視点を向けながら鑑賞していたかを認識することができました。そして何より、参加者全員と感想を共有し合うことで、作品を見る視点をたくさん得ることができ面白かったです。
最後に、難聴の方も楽しかったですと話しており、私も一参加者として非常に楽しませていただきました。

イベントに携わる皆様、今回はお邪魔させていただきありがとうございました!


KYOTOGRAPHIEは世界各国のアーティストが京都各所に一堂に集まるイベントです。
世界的アーティストのほか、これからの活躍を期待されるアーティストの作品を京都に残る歴史的な建造物や普段入ることのできないエリアでも展示を行っています。
KYOTOGRAPHIEは来年も開催予定とのことです。来年の春、京都にお越しになる際はぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。

このページをSNSでシェアする

ページの先頭に戻る