UDCast

ユーディーキャストに集まろう!

鑑賞サポートの制作・導入

【鑑賞サポートあるある】音楽ライブでMCを楽しみたいんです!

UDCastでは、文化庁委託事業「令和7年度障害者等による文化芸術活動推進事業」障害者等による文化芸術活動の推進に向けた課題解決プロジェクトの一環として、文化芸術の相談窓口を設けています。この【鑑賞サポートあるある】では、そんな相談窓口に寄せられた事例を紹介します!「合理的配慮」についてお悩みの方に届きますように、ぜひシェアをお願いします。

相談窓口では、事業者・当事者問わず、アート・カルチャー体験におけるお困りごとの相談を無料で受けています。お困りごとのある方はお気軽にご相談ください。https://udcast.net/support/

CASE1 音楽ライブでMCを楽しみたいんです!

難聴のAさんは、とあるアーティストのライブでMCで話す内容を知りたいと思い、鑑賞サポートとして情報保障をお願いしました。そして、「座席で『音声認識アプリ』を使ってもいいですよ」と主催者に許可をいただきました。でも……

「これが一番手間がかからない方法だとは思いますが、内容の保証は一切ありません。せっかくのコンサートなのでどんなことを話しているか正確に知りたいのですが、私も経験が足りずどうしたら良いか分かりません。」と相談窓口に連絡をいただきました。

ライブで盛り上がっている様子

相談窓口の所感

コンサートのMCで手話や字幕が用意されているケースはいまだに多くありません。
鑑賞サポートが想定されていない公演では、「合理的配慮」として「音声認識アプリの利用」を主催者から提案いただくことがあります。

ライブなどでは歌詞の字幕が出ることはありますが、MCには字幕がありません。そのため、きこえない・きこえにくい観客が、終わった後SNSでレポートを一生懸命探してMCの内容をようやく理解する、という話をよく聞きます。「音声認識アプリの利用」を許可いただくことでリアルタイムの会話を拾えますが、アプリの認識精度によっては何を言っているのか正確に理解することができないことがあります。

音声認識アプリを使用する際には、いくつかのことに気を付けると、より正確に内容を把握できるようになります。しかし、そのためには事前の準備が必要です。

今回は音声認識アプリを使用する際に有効な3つの方法をご紹介します。鑑賞サポートでよく見受けられる事例なので、事業者の方も当事者の方もぜひ参考にしてみてくださいね。

ライブで盛り上がっている様子

1 音声認識アプリを使う上で、マイクの音声を端末に直接繋ぐ

▶ 会場の音響システムマイクの音源だけを出力してもらい、その音声信号をスマホに接続して音声認識アプリを使います。

メリット:マイクの音声を直接端末に認識させることができるので、スマホのマイクを用いるよりもクリアな環境で文字起こしができます。

デメリット:観客の端末だけでは完結しないので、専門的な機材の準備が必要です。実施の際には、当日現場で担当者にご対応いただく必要があります。

2 音声認識アプリを使いながら、フォロー要員が誤字脱字を修正する

▶ 自動音声認識アプリは、100%正確に会話の文字起こしができるわけではありません。誤字脱字が多発したり、専門用語などが認識できなかったりします。そのため、誤字脱字が起こっていないか、リアルタイムで確認し修正するフォロー要員を配置するのが良いでしょう。

メリット:フォロー要員を確保できれば実施できるので、技術的なハードルが低いです。フォロー可能なお知り合いに同伴してもらったり、運営側でスタッフを確保していただいたりすることで実現できます。

デメリット:実施可能な場合も、チケット代やスタッフの手配などの費用負担が生じる可能性があります。また、手作業での修正が増えるため、完璧な文字起こしが難しい場合があります。 

3 テキストなどの資料提供

▶当日もしくは後日、MCの内容などを紙やデータで把握する方法です。リアルタイムのサポートではないので、音声認識アプリの使用とセットで提供いただけるとより内容が把握しやすくなります。 

メリット:機密や権利関係の問題がクリアできれば、もっとも確実に内容を把握できます。

デメリット:台本などは本番直前まで完成しない場合が多く、事前での提供が難しいことが多くあります。その場合も、共有可能な範囲の情報を探していくことが大切です。

ライブで盛り上がっている様子

まとめ

音声認識アプリは、とても便利です。難しい設定を行わずとも文章を書き起こしてくれますし、事前に単語登録を行うことで認識の精度を高めることもできます。しかし、自動音声認識では誤字脱字が起こる可能性があるので、正確に内容を把握するためには聴者の協力も必要です。

合理的配慮について、あらかじめルールを定めることでサポートを提供する側も受ける側も快適に楽しむこともできます。一見難しくみえるアプリの使用方法も、コツを掴むとスムーズに準備できます。音声認識アプリの特性を生かしながら、一緒に楽しめる工夫を考えてみましょう。

鑑賞サポート相談窓口の紹介

UDCastでは、舞台や映画、音楽ライブなど、バリアフリー観劇・鑑賞サポートの相談を受け付けています。
観たい作品の鑑賞サポート内容や申し込み方法を調査し、鑑賞時に生じるお困りごとやご要望をお聞きして、具体的なサポートを提案するお手伝いをしています。

また、鑑賞サポートの実施を検討されている事業者からのご相談もお受けしております。
お気軽にお問い合わせください。
https://udcast.net/support/

 

このページをSNSでシェアする

ページの先頭に戻る